HiraHira blog

保護犬と暮らしと、ときどき映画

映画

隣人は静かに笑う

ずっと観たいと思っていた作品。いや、これはかなり怖い。そして期待を裏切らない秀逸な作品だった。ジェフブリッジス、ティムロビンスという実力派2人を絶妙に配役して、社会にひっそりと潜む闇、人間が陥りやすい状況や誤解を際立たせ、恐ろしさを倍増して…

ドラキュラ

これだけ豪華な俳優陣を使っても、きちんとしたビジョンと見せ方を考えないとこんな風になっちゃうんだよ、と言うお手本のような作品。ドラキュラの振る舞いがだんだん滑稽に見えてしまう痛々しさ。コッポラだよ…ね?^_^;石岡瑛子さんの衣装は安定の高水準な…

この世界の片隅に

冒頭の囁くような歌声とのんさんの素朴な語り口。自然と入ってくる前評判で内容を大体想像できていたので、お涙頂戴の準備をしているようなその演出があざとく見え、早々に期待外れと決めつけて斜めに見てしまっていました。結果、あざといのは私の方でした…

マグニフィセント・セブン

年末のこの時期になると、昔は必ず名作がTVでやっていて、バタバタとお正月の用意をしながらそれを見ていたのを思い出します。「七人の侍」「荒野の七人」もそのひとつで、毎年繰り返し何度も見たものです。そんな年末の風物詩も動画配信を利用している今は…

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

前作に続き無双状態のリーチャーが、今度は女性少佐とセットで敵に立ち向かうはめに。リーチャーも強いが女性少佐も相当な腕前。娘と思しき女の子の今風な受け答えに手を焼きながらも父性が芽生える、父娘モノの様相も取り入れて、強さばかりに傾きがちな作…

ジャージー・ボーイズ

ジャージーボーイズ(フォーシーズンズ)皆さんは、このステージングを見てどう思うのだろう、古くさいと思うだろうか。今大人気のブルーノマーズ。私も大好きなバンドですが、彼らはまさにこの流れを汲むバンドだと感じました。キチンとしたステージ衣装に…

天使と悪魔

キリスト教になぞらえ、宗教的建造物や美術品を絡ませた殺人が、コンクラーベ(次期教皇選挙)を舞台に格調を持って巻き起こるミステリー。宗教的見地から検視ができなかったり、入室が制限されたり、自由に捜査できないところがミソだ。途中、キリスト教と科…

白雪姫と鏡の女王

白雪姫のアレンジ版。古典白雪姫に含まれた様々な教訓を解りやすく象徴化した作品。最初の概要説明の下りで、王が働きもせず一人で姫を育てたり教育を受けさせたりできたのは、王制と言う不公平なシステムのお陰なんですよ、となかなか批判的。王制の名の下…

スター・トレック BEYOND

スタトレ新シリーズにはもはや敬服してしまいました。毎回、新作を観終わった後に、この作品がシリーズ1番と思わせてくれる新鮮なグレードアップ力。回を追うごとに確実に魅力を増していくカーク船長クリスパイン。今回はガーディアンズオブギャラクシーを意…

グランド・イルージョン

このテーマで続編を作るというのは無理があったんじゃないですかね。映画自体をひとつのトリックショーとして見せるのは、一回きりだから斬新な訳で、いくらトリックを変えたとしても大括りでは同じパターンの映画になってしまうので、どうしても新しさがな…

特捜部Q Pからのメッセージ

3作目にして完全にハマりました。これはおもしろ過ぎるシリーズに出会ってしまった。背も高くガタイもいいのに、わりとあっさりヤられるカールの仏頂面もだんだん愛らしく感じて来ましたよ。宗教と信仰心。今回は、否が応でも宗教観なしに見る事が出来ない中…

特捜部Q キジ殺し

前評判と予想どおり、このシリーズは外さない。前作同様、練り込まれたプロットだ。人生の通過点として、何処にでも転がっている平凡と非凡の境界線を示唆するような出来事がきっかけとなるのだが、異常だけども決して現実世界の枠を超えるものではないとこ…

特捜部Q 檻の中の女

渋い大人のオープンミステリー。北欧らしい静かな雰囲気でストーリーが進んで行く。職人気質とでも言おうか、執念にも似た刑事魂が一本貫かれ、深い人間模様がミステリーに練りこまれて描かれている。熟練した刑事は、職業で有りながら、人間の性や弱さを知…

ベネディクト・カンバーバッチ ホーキング

カンバーバッチのこういう演技は、哀しくて重くて繊細だ。

ジュラシック・ワールド

見る気はなかったんだけど、いつの間にか引き込まれてましたね。面白かったです。ストーリーはと言うと、猛獣系パニックの王道なのですが、画面の面白さと恐竜VRの質の高さで充分最後まで観てしまう作品です。オーウェンさん、とても素敵ね。エゴと自己主張…

メカニック

ご存知、殺し屋ジェイソンステイサム兄貴が無双状態で暴れ回る作品かと思いきや、意外に湿った雰囲気を持つ作品だったので嬉しい誤算。が、一見クールな任務遂行の腕とキレる頭の殺し屋の様相は持ちながら、みんなが応援できる?(笑)殺し屋の方向性として大…

ホビット 決戦のゆくえ

画面にしてもストーリーにしても高品質で申し分ないと思うのです。がこのシリーズ、何故なんでしょう?私はちゃんと憶える事が出来ません。何処が何処だったのか、、、見始めれば分かるんですけどね。今作は一連のクライマックスなので、戦いと重要人物の死…

ターミナル

スピルバーグはこういった一点突破タイプの作品づくりがとても上手いですね。「激突」しかり「ジョーズ」しかり「ET」しかり。油断すると、とんでもなく退屈な作品になる恐れがある題材です。ハプニング的に起こったひとつの事柄について、とことん掘り下げ…

ミスター・ノーバディ

この作品は、非常にたくさんの人生パターンが時系列を前後させて出てくるので、つい其々のストーリーに没頭しそうになりますが、まずは、118歳のニモノーバディと言う老人が、死ぬ際に自分の人生の記憶を振り返り語っている、と言う大前提を押さえておきまし…

エクス・マキナ

人工知能って本当に要ります?主な登場人物は、人の良さそうな主人公とそのIT会社のあまり感じの良くない社長、そして研究途中の人口知能を搭載したエヴァ。途中までは、隔絶した施設の中でこの3人が、それぞれの思惑に基づいて騙し騙されの、誰が本当のこと…

ダーク・シャドウ

おもしろく加工し象徴的にしているのですが、意外にセクシャリティな場面が多いことに驚きました。ピュアな愛の心が有りながら、あっさり殺戮してしまう冷血なところや、コメディありホラーありの複雑なファンタジーで大人向けですね。白塗りジョニデ×ティム…

Mommy/マミー

何でフランス系の女性ってこんな魅力的な人が多いんだろう。人生をあるがままに飲み込んで、苦しみの中の刹那の幸せを噛みしめて笑っている。彼女にはその中で滲み出る美しさと強さを感じます。肝の座った本物の大人の女性を見た気がしました。ジャケットが…

ジェイソン・ボーン

2時間強、目まぐるしく上下左右し、秒単位でカットが切り替わる画面を追うのは正直辛かった。内容的には可もなく不可もなく、前3作品の集大成トレッドストーンの決着ではあるけれども、クオリティとしては既存の作品に勝るところは見当たらず、ボーンシリー…

人生の特等席

素晴らしい活躍をした人の人生にも、必ずかげりは訪れる。どんな社会的地位があっても、皆やがて老いて、普通にやっていたことが時代遅れと馬鹿にされたり、体力や記憶を患い相手にされなくなったり、時には忘れ去られたりする。しかし、人生とはそう言うも…

ニック・オブ・タイム

ジョニデとクリストファーウォーケンが出演しているとは思えない、ムチャクチャなサスペンスです。計画の酷さと設定に無理があり過ぎてコメディなのかと思うくらい。適当に選んだ一般人ジョニデに、人混みで、ある人物を狙撃させる??彼の射撃の腕がダメな…

オブリビオン

オールユーニードイズキルと同様、命の重さゼロ系終末SF。映像の美しさや躍動感で最後まで観れましたが、どの場面も音楽の引用も何処かで観たことのある感じが否めません。ミステリーの時間軸の部分はまずまず面白かったのですが、これも大体予想がついてし…

海洋天堂

余命数カ月の父と、自閉症の息子との絆と深い愛の物語。この子を残して逝かなければいけない、この子に何が残せるのか、と言う父の苦悩が胸をえぐり、心が震えて涙が止まりませんでした。細かな描写と心的目線の広さ、画で訴える力のある作品です。アクショ…

007 スペクター

オープニング映像は、反射的に「ドラゴンタトゥーの女」のオープニングを思い出させるアーティスティックな美しさで、観入ってしまいました。相変わらずスーツの似合う、冷たいダニエルクレイグボンド恒例の、崩れる建物に巻き込まれて一緒に落ちる目線、ボ…

50回目のファースト・キス

同じ事を、何度も何度も繰り返さなければならない、更にその終わりが見えない、そう言う状況に陥った時、あなたはどうしますか?と問われているような作品です。反射的に「恋はデジャブ」を思い出しました。主人公がタイムリープに陥ってしまい、同じ日を繰…

ラブリーボーン

14歳で殺された少女の、死後の目線で語られる、悲しくも純粋なファンタジー。変質者に殺される少女の報道がある度に、何処にもぶつける事の出来ないやるせなさと救われない憤りが、全ての力を奪っていくのが解ります。以前、住職さんが仰っていた「子どもを…