HiraHira blog

保護犬と暮らしと、ときどき映画

ターミナル

ターミナル (字幕版)

スピルバーグはこういった一点突破タイプの作品づくりがとても上手いですね。「激突」しかり「ジョーズ」しかり「ET」しかり。油断すると、とんでもなく退屈な作品になる恐れがある題材です。
ハプニング的に起こったひとつの事柄について、とことん掘り下げ盛り上げていく展開の巧さは彼を置いて他にはいません。その面白さを大衆に知らしめた第一人者と言えるでしょう。
今作も、自国のクーデターにより入国不適格となり、空港ターミナルから出られなくなった男が巻き起こす笑いと感動。全編このターミナル内だけで起こる出来事です。閉鎖された環境を上手く利用して、観客の目線や心を容易に誘導していく様は実に見事です。
加えてトムハンクスは出てくるだけで、コメディもまじえて人柄の良さと誠実さをデフォルトで表現してくれる逸材ですから、自ずと心温まる作品になっていますね。