ボーダーライン
心動かされるPVに、これは是非大画面で観たいと思い映画館に行ってきました。
やはりこの監督凄い。
思った通り、心震える仕上がり。
骨太でリアリティを追求した画面やストーリー展開に、手に汗を握るどころか、終始身体中に力が入ってしまって、映画館を出る時には膝がガクガクしていました。
この監督の作品は視覚的な魅力だけでなく、ストーリーの中に必ずミステリーの要素が入っています。
観客に、序盤を越えたあたりでこの作戦がミステリーである事に気付かせ、限界を超えたヤバいメキシコスラム街や、息をするのも忘れる国境越えの銃撃戦、ジリジリした暗視ゴーグルのシーンを目の当たりにした放心状態の中、想像だにしない展開になだれ込む終盤へのプロットは見事です。そこに息つく間はありません。
さらに、何とも表現し難い戦慄のフレーズの反復と重低音が焦燥感と緊張を最高潮にさせるでしょう。
ベニチオデルトロ、ほんとにイイです。懐の深い素晴らしい俳優さんだと思います。アルパチーノ以来、演技を1ミリも見逃したくないと思える人です。