HiraHira blog

保護犬と暮らしと、ときどき映画

スイス・アーミー・マン

スイス・アーミー・マン(字幕版)

理解しにくそうで、実はどの人にも心当たりがある精神の動きを、死体との友人関係の中で死体の口を通して語らせ、コメディタッチに表現しています。
と言うか、かなり複雑で捻れた表現だと思うので、ハマる人とハマらない人に別れるでしょう。しかも死体のおならや勃起という、少し恥ずかしい生理現象を面白く利用して、無人島から生還する、実際は主人公の精神が破綻逃避状態から現実に戻るまでの、切ない道のりを描いています。
コメディ部分が馬鹿馬鹿しければ馬鹿馬鹿しいほど、主人公の悲哀が際立って何とも表現し難い気持ちに襲われました。
それにしても、ポールダノの演技力と人の心を掴む表情の妙は、既に名優、いや天才と言っても誰も異論はないと思います。
この作品、私は好きです。